指南番外 <「十年(とうねん)」での正しいバーボンの飲み方>


え〜、最近では「週刊プレイボーイ」誌にも紹介された「十年」でございますが、 本日はこの店での「上手なお酒の飲み方」のご紹介でございます。

その1.時間帯

「十年」の開店時刻は18:00。ま、会社の帰りに寄るということになると、 この時間に行くことはまず無理ですわな。んでもって、だいたい店が混み出すのが 21:00頃から(ま、サラリーマンの行動パターンなどは似たようなものです)。 ですから、マスターとゆっくりオハナシをしたいとか、バーボンについて教えても らいたい方は、19:00までに入って21:00には引上げる、というパターン がよろしいのではないでしょうか。

ただし、19:00くらいまではまだ支度中の時もありますから、あんまり邪魔を しないようにしましょうね。準備が終わって、マスターがエアコンの前あたりに腰 をおろして話しかけてくるようになったら、いろいろと蘊蓄を聞かせていただきま しょう。

あ〜それから、この時間(19:00より前)に行くと、マスターの晩ご飯のお相 伴にあずかれるケースもあります(わたしはこのテで、赤飯やオデンをいただいた こともあります)。

21:00〜23:00が最も混む時間帯であります。この時間帯に3人以上でい きたい時には、事前に電話をいれて席が空いてるかどうか確認したほうがいいでし ょう。

その2.お酒の種類

当然のことながらバーボンなのですが、カクテルも一通りはできるように準備がし てあります。「バーボンなんざ、よ〜わからん」という方は、好きなワインや日本 酒、あるいは他の飲み物に例えても良いでしょう。「辛口か甘口か」「コクのある ものかアッサリしたものか」とにかく好みを的確に伝えることです。

多少なりともバーボンの経験がある方でも、いざ500本とも600本ともいうボ トルの林を見ると、どれを注文したものか圧倒されてしまうものです。マスターに お任せしてしまうのも一興でしょう。とにかく「知ったかぶり」をするのは避けた いものです。バーボン一筋22年とサシで勝負するより、いろいろと教えを請う方 がずっと賢明であります。

カウンターの上のバーボンは、向かって左から右にかけてだんだん値段が高くなり ます。また、バー・バックの上の段のバーボンは非売品、日本中に一本しかないと かいうシロモノがほとんどです。それに、何年も前のものなので飲むに耐えないボ トルもあります。バー・バックの中段は、プレミアム・バーボン。メーカーズ・マ ークのVIPなんかが置いてあります。

それから、ブッカーズ、オールド・リップ・ヴァン・ウィンクル10年、ハーシュ ・リザーブ15年、エヴァン・ウイリアムズ23年、などという「とっときのバー ボン」はカウンターの下に隠してあります。カウンターの上に見当らない時は、マ スターに聞いてみましょう。(なぜかオールド・ケンタッキー15年は、カウンタ ーの上に乗っているのですが・・・)

その3.話題

バーでの話題に何がふさわしいか。バーボンの話がGOODでございますが、ラン ナーでもあるマスターですから、ランニング、自転車、山登りの話なんかもけっこ う盛り上がります。

そして意外と熱心に話してくれるのは「政治」の話。ま、支持政党の押し売りはさ けたいものですが、「日本の民主主義はまだまだ子供だ」などというオハナシも、 他のお客さんがいないときには良いかもしれません。ただ、10人程度しか入れな い狭い店とはいうものの、お客は自分一人ではありません。混んでいる時は、ご商 売の邪魔をしないようにしたいものです。

雑誌なんかに載っていた「十年」の記事の話は、あまり喜ばれません。どうも、ご 自分が喋った内容が正確に伝わっていないという思いがあるようで、「”ザ・バー ボン”って本に載ってましたね」なんていう話には「ハァ」と簡単に応えるだけの ことが多いようです。

その4.お酒の飲み方

基本的にはストレートかロックです。とくに質の良いバーボンほど、ストレートで 飲んでいただきたいものです。「ストレートなんて強過ぎて駄目」という方、バー ボンは「Sipping Whiskey(すするように、なめるように飲む酒)」です。とくに質 の良いものほど、スッと喉に入るものです。少なくとも、西部劇の一シーンに出て くるような「カウボーイ・ハットの荒くれ男がイッキにあおる」というものではあ りません。

ただ、調子の悪い方や、アルコールがとても苦手(ま、そんな方が「十年」に行く とは思えませんが・・・(^_^;))な方は、ちょっとソーダを落としてもらったり、 飲みやすいカクテルにしてもらうテもあります。まわりがストレートだからって、 無理をすることはありません。自分のペースにあわせてバーボンを楽しみましょう。

なんせ、この店は「バーボンを楽しむための店」ですし、マスターはバーボンをと ても大事にしていらっしゃいます。そういう場所に入ったからには、カラオケ・ス ナックや炉ばたとは、違った飲み方が要求されるというものです。「郷に入っては 」ってなとこですな。

ストレートのグラスは、とっても素敵なデザインでした。「でした」というのは、 割れてしまったり、不届き者がこっそり持って帰ったりして、少なくなってしまっ たからです。口がすぼまったグラスで飲ませてもらえたら「ラッキー」っと心の中 で言いましょう。

その5.店での態度

まず、ワアワア、ガヤガヤとデカい声でのオハナシは不粋であります。これは、 バーならあたりまえの事でしょう。もちろん、お通夜ではないのですから、会話が お酒の場を楽しくしてくれるのは当然のことです。節度をわきまえた会話を楽しみ たいものです。

次に「出過ぎたマネ」は避けること。常連になってもナレナレしくし過ぎるのは、 考えもの。マスターの手がふさがっているからといって、店にかかってきた電話を とって「十年でございます」なんてウケるのは、歓迎されません。

他のお客さんが「どれにしようかな」って迷ってる時に、マスターをさしおいての アドバイスっていうのも歓迎されません。なんといっても、むこうは商売。段取り というものもありますし、たまたま隣り合わせになって話がハズんで、という時以 外は避けたほうがよろしいかと思います。

「譲りあいの精神で」・・・というのは、なんせ狭い(何度も狭い狭いって言って ますが、(^_^;))店であります。カウンターに10人が精一杯でから、お互いに譲 りあってできるだけたくさんの人が飲めるようにしましょうね。(なんか道徳の時 間みたいになってきたにゃ)

その6.お支払い

大阪はキタ新地であります。ショバ代もバカにならないでしょう、はっきり言って 「高くつきます」。メーカーズ・マークとかオールド・リップ・ヴァン・ウィンク ルなんかを飲みたい場合は、一万円札を一枚忍ばせて行った方が心穏やかに飲めま す。

ちなみに先日のわたしのお勘定は、シングル5杯で、べリー・オールド・バートン 6年ボンデッド、シグナチャー10年、リッテン・ハウス(これはライ・ウイスキ ー、桂花陳酒のような甘い酒)、オールド・フィッツ・ジェラルド、エンシェント ・エイジ10年。これにマスターお手製のアテがついて、しめて8,160円也で ありました。

それから、この店の唯一の弱点で勘定が遅いのです。帰りの電車を気にしながら飲 まれる方は、あんまりギリギリまで粘られないようになさったほうがヨロシイかと 思います、ハイ(^_^)。

とにかく、わざわざ足を運んでいただくだけの価値はある店です。是非、一度お越 しくださいませ。んでから、店で私の名前を出していただくのは、いっこうに差し 支えありませんが、けっして勘定が安くなるなどということはございませんので、 アシカラズ(^_^;)。

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