「十年(とうねん)」日記 その6


生きている木

給料日直前の24日。終電までの一時間を過ごそうと訪れた「十年」のカウンターには、お客の姿はなし。この時聞いた樽のオハナシは「バーボン指南 12」を読んでいただくとして、木の命のハナシ。

十年のカウンターは寄木作り。細長い木を組み合わせて、一枚板のようにしてあるヤツですな。開店当初はニスの輝きも鮮やかだったそうですが、バーボンの置場がなくなってカウンターの上に置くようになってからは、かなり傷んできたということです。そりゃま、500本だか600本だか、マスターもわからんくらい置いてますからねぇ。

でまあ、このカウンターも生きているんです。マスターに言われて、カウンターの表面を撫でてみると、今は乾燥しているためデコボコしています。これが梅雨になると、水分を吸い込んで滑らかになるそうなんですね。店の入口の引き戸の重さでも、湿度がわかるとか。切られてから何年も経っているのに、湿度によって膨らんだり縮んだり、不思議ですよねぇ。

バーボンも、ホワイトオークの木が貯め込んだ命のエキス。自然の力・命を巧みに取りだした職人の知恵というか、当時の人々の科学の成果だな、なんて話を、カウンターや飾り物の樽の表面を撫でたりしながら、話していたのでありました。

          「十年」に行ったら、カウンターを撫で撫でして、
          自然の恵に感謝しつつ、グラスを傾けませうね(^・^)
              PEA01063 MAX/新木 誠でした

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