指南その12 <おいしい樽>


バーボンを熟成する樽のハナシ、その2です。

「内側を焼いた新しいホワイトオーク」の樽で熟成させるのが、バーボンたる条件です。樽は、バーボンの味、色、香りを決定するものです。トウモロコシからつくるからバーボンである、と思ってたアナタとワタシ、認識を改めましょうね。バーボンの素材の主役は「樽」なのです。

樽の素材はホワイトオーク、なかでも柾目のものを使用します。バーボンは最低4年間、樽の中で熟成されます。樽に対して直径方向に目が走っていては、時間が経つうちにバーボンがじわじわと滲み出してしまいます。これを避けるために、柾目の素材が使用されるわけ。昔の職人さんは、木目が縦に走っているかどうかを確認するために、木口に口を当てて水を吹き込んだそうです。木目が縦にはしっていれば、水は反対側の木口から滲み出すという次第です。

バーボンの味、色、香りはすべからく樽が与えてくれるものです。「おいしいバーボンは、おいしい樽から」。でわでわ、ホワイトオークのどの部分がおいしい樽になるのでしょうか。

その答は、カブトムシやクワガタが知っています。樹液を食べるこれらの虫たちが、木のどのあたりにいるでしょう。根っこの近くや葉っぱの先じゃなく、木の真ん中あたりですよね。彼らは、この辺りの樹液がいちばん旨いことを知っているのです。葉っぱの先で行なわれる光合成、光のエネルギーから炭水化物を合成します。かたや水分は根から吸い上げられます。木の生命力は、両者から生まれると言って良いでしょう。とすれば、両者が適度にまざりあった中ほどの部分が、一番バランスが良く旨いハズ。

バーボンの風味は素材の木の風味。木の中に貯められた風味を抽出する作業が、樽の中での熟成です。樽を焦がすのは、ホワイトオークの持っている風味が、溶けだしやすくするためです。したがって、中ほどの部分のおいしい木を深く焦がして樽を作り、時間をかけて抽出したバーボンが旨いという道理であります。

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