宮古島旅行記 2000/8/26〜8/30

前回、家族で沖縄に行ったのは1996年。次男の航空運賃が無料のうちに、もう一度沖縄のきれいな海を見に行こうと、三日間の休みをとって8/26の土曜日から5連休にし、一家四人で宮古島へ行ってきた。ホテルは宮古島東急リゾート、四泊五日の旅行である。

8/26(土)
まだ朝の通勤客で混雑するJR片町線で京橋へ。ここからは京橋始発の関空快速に乗る。関西空港駅まで乗り換えナシで1時間20分ぐらい。天王寺や難波に出て、特急「はるか」や南海の「ラピート」を使うほうが早く着くのだが、荷物と子供二人を連れてなので、乗り換えが少ないほうが助かる。10時前に空港着。旅行会社の人から、早めに行かないと席がバラバラになると言われていたので、フライトの1時間半前に着いたのだが、結局座席は26C・28C・29Cと3席バラバラ。HIROKOと聡太が28Cに一緒にすわり、29Cに啓史、私はちょっと離れた26Cに座る。どれも通路左側の座席だ。啓史は離着陸時一人で座るハメになり、「ちょっと怖かった」とのこと。ともあれ、我々の乗ったANK711便・エアバス320は、11:35発、13:30着の約二時間の飛行で宮古島に到着した。途中、屋久島までが1時間、沖縄本島で1時間半。座席ポケットにあった飛行機の航路図を啓史に見せながら、「おうちがここで、おじいちゃんの処がここで、今ここだよぉ」などと話しながら過ごした。空港から宮古島東急リゾートまではタクシーで15分、料金は1400円である。あとでホテルでみたら、7月〜8月の間は空港とホテルの間を送迎バスが運行しており、一人300円でいけるとのこと。考えてみればありそうなサービスなので、今度からはこういうのを利用することにしようと思う。

14:30ごろホテル着、チェックインして部屋へ。4泊する部屋は、オーシャンウイング6階の623号室。さすがに全室オーシャンビューで、ホテルのウリである前浜のビーチが良く見える。ツーベッドにソファとテーブル。建てられたのが古い分、部屋はゆったり作られている。窓から見える前浜ビーチは陽射しが強く、ホテルの敷地内にも椰子の木やら、ブーゲンビリアやら、すっかり南国ムードだ。ホテルの部屋内で面白いのは、ベッドの枕もとにフマキラーの殺虫スプレーと、ベープマットが置いてあること。妙なところで民宿のような気分がする。あとは水道水がぬるぬるしていて、石鹸を洗い流したあともどうもすっきりしない。宮古島の水道は硬水なので、ホテルで軟水化しているせいなのだと書いてあった。硬水のままだったらギリシャのホテルでなったように、お肌が象さんの皮膚化していたことだろう。

せっかく海のきれいな島に来たので、何はともあれ海とばかり、水着に着替えて前浜ビーチへ行く。白砂の浜が長く伸びて、向かいにある来間島と宮古島をつなぐ来間大橋もよく見える。ただ台風12号の接近のせいか、この日はちょっと波があり、子供二人が怖がるので、海は早々に切り上げてホテルのプールでパチャパチャする。そういえば前回の沖縄本島で日航アリビラに泊まった時も、啓史が怖がってあまり海に入らず、プールで泳いでいたと思いだした。海で泳ぐのを楽しむのは子供がもう少し大きくなってからだな。

2時間ぐらいプールで遊んでから部屋で一服したあと、タクシーで平良(ひらら)市内に出て、小料理「笑和亭(しょうわてい)」で夕食にする。去年の那覇での山羊料理宴会に引き続き、HALさんにセットアップしてもらった店だ。ニフティのFDIVING のメンバー3人とHALさんに、うちの家族4人で食事。店内にはカウンター、7〜8人の団体で座れる大きなテーブルに、15人ぐらい座れる座敷がある。子連れで行くには、椅子席より畳敷きの方が利用しやすい。豆腐チャンプルーやラフティを楽しむ。菊の露の古酒があったので頼んだが、わりとあっさりしていて自分としては少々期待はずれ。泡盛を始めお酒の種類は少なく、酒にはあまりこだわっていないようだが、お食事処としては使いやすい店だと思う。飲み屋はまた別途HALさんに開拓しておいてもらうことにしよう。子供たちが眠たくなってきたので早々に辞去し、タクシーで東急リゾートに戻って就寝。明日からが本格的な島内観光だ。

8/27(日)
東急リゾートの朝食はバイキング形式で、レストラン「シャングリラ」が和食と洋食、日本料理「やえびし」が和食と中華料理、という取り合わせになっている。どちらにしようか迷っていたが、この日はシャングリラが一杯だったので選択の余地なく「やえびし」へ。二日目は「シャングリラ」で食べた結果、以降は「シャングリラ」の朝食を食べることにする。子供向けメニューが充実していること、グァバ、シークァーサ、パイナップル、トマト、オレンジ、アロエなど新鮮なジュースが多いこと、目玉焼きをその場で焼いてサーブしてくれること、こんなとこが良いところ。ただ早めに行かないと混みあって席がなくなってしまい、トレイを持ってバールームに行ったり、屋外のテーブルに座ったりになるのがちょっと難点。いずれにしても、ホテルの朝食バイキングはリーズナブルな出来なので、しっかりたくさん食べて、遊びのエネルギーを補給する。

朝食から戻ってくると、ロビーでレンタカー会社の方が待っていた。今回はホームページで見つけた「すなかぎレンタカー」を利用。借りたのはスバルの軽自動車でプレオ、コバルトブルーの車体だ。島内にはいくつもレンタカー会社があるのだが、ホームページで調べたなかでは「すなかぎ」がいちばん安く、予約も電子メールで済ませた。チャイルドシート一つ目は無料で、二つ目は1,000円というのも安い。ホテルまでの配車・引き取りも無料だった。キーを受け取って契約を済ませ、観光スポットの案内や割引券をもらう。いつも乗っているMOVEと似たタイプなのだが、初めての車なのでHIROKOは運転しにくそう。慣れるまで、ちょっと苦労しそうだ。

台風12号接近のせいで、滞在初日から天気は降ったり曇ったり。今日の目的地はインドアということにし、プレオに乗って「海宝館」へ向かう。宮古島南岸を通る県道101号線を、ホテルから15キロぐらい走ったところで、休憩をかねてイムギャー海岸に降りてみる。天気はイマイチだが水は澄んでいて、潮溜まりにも3センチぐらいの魚が泳いでいたり、シャコやヤドカリがうろちょろしている。浜から15〜20メートルぐらいのところでは、子供たち相手のダイビングスクールが開かれていた。

雨がパラパラしだしたので、ふたたびプレオに乗って「海宝館」へ。途中、車窓から風力発電の風車二基を発見、太陽光発電の施設も併設している。風力発電施設は西平安名崎だけかと思っていたら、ここ以外にももう一ヶ所で見かけた。風の強い宮古島にはうってつけなのだろう。

「海宝館」着。海岸線に降りたところに「保良川ビーチ」が見える。雨もほとんどあがっていて、海ではシュノーケリングをしている人も結構いるので、「海宝館」見学の前にビーチに降りることにする。くだりの道がかなり急なので、車は「海宝館」の駐車場に置いたままにし、急な階段をずぅ〜〜っと下ると、急流すべりや、プールもあるビーチ。有料ではあるがロッカーとシャワーがそろっていて、軽食もとれる。プール気分で安心して利用できるところだ。啓史は怖がって海には入らなかったが、聡太は大人の腰ぐらいの深さのところまで抱いていき、魚が泳ぐのを見せてやる。わざわざ買ったシュノーケルは結局使わなかったが、こんな浅いところでもトロピカルな魚が泳ぐのを十分楽しめる。雨がふたたび強くなってきたので海から上がり、「海宝館」併設のレストランに向かう。

レストラン「海宝」で食べたのは、タカセ貝の定食。HIROKOはバター醤油炒め定食で、私は味噌炒め定食。啓史にはビーフカレー、聡太にはお子様ランチをとる。子供もいっちょまえに食べるようになってきたので、旅行にかぎらず外食すると金がかかるようになってきた。食器には本物の貝殻を使っている。タカセ貝の炒めものの入った貝の器はシャコのような形で、殻も分厚く手に持つとずっしりと重い。料理もボリュームがあって、十分満腹になった。230人収容の広さなので、団体客相手でも大丈夫だろう。座敷席も広くとってあり、小さな子供連れには嬉しい。郷土料理っぽくない普通のレストランメニューも充実しているので、家族連れで行くのにお薦め。

昼食を済ませて「海宝館」へ。館長の幸地和夫氏が、子供の頃から集めた貝がベースになってできた施設との事で、1万5000種類を収蔵する規模は日本一だそうだ。貝殻細工の教室も開かれていて、夏休みの宿題にはいいかもしれない。貝の種類もよくこれだけあるものだと感心する。なかでも紅色や紫色のヒオウギガイの美しさは、これが天然のものとは思えないほどの鮮やかな色合いだ。タコが発生学的には貝の仲間になるというのは、ちょっと驚きだった。

あいかわらず天気はイマイチなので、次もインドアの施設を目指して県道78号線を走り、「みやこパラダイス」へ向かう。ブーゲンビリアをはじめとして、色とりどりの亜熱帯の花が咲き乱れる温室内には、たくさんの蝶が飛び交っていて美しい。うまくするとオオゴマダラを手にとまらせたりできるらしいので、カメラ好きには格好の撮影場所だ。観光ポイントの中で、子供たちにはここがいちばん好評だった。ひととおり蝶を堪能したあと、売店でブルーシールのマンゴーアイス、ベニ芋アイスを食べる。椰子の実に穴をあけて一個まるまるのまま供する、椰子の実ジュースは800円。他にもグァバ、マンゴーなどのトロピカルフルーツのジュース各種が飲める。同じ敷地内に熱帯果樹園があるので、ここを散策してから帰ることにしたが、園内がやたらと広く案内や果樹の説明もないので、空が暗いこともあいまって、なんだかジャングルに迷い込んだような気分になる。

食事スポットの下見に平良市内を回ってホテルに帰る。夕食を平良市内でとも思ったのだが、初めてのなれない道で暗くなってから走るのも不安なので、ホテルへ帰る390号線沿いにあるファミリーマートで弁当を買って帰る。ホテル内のコンビニエンスストアでオリオンビールを買って、お部屋で夕食。ちょうど夕陽が沈むところで夕焼けがとても鮮やかだったので、デジカメで写真に撮る。なかなかきれいに撮れていて、絵葉書にでも使えそうだ。風呂に入って就寝。

8/28(月)
あいかわらず天気予報は雨と曇りで、台風12号もじわじわと接近してくる。今日の夜から明日の未明にかけて宮古・石垣を通り過ぎるということなので、明日ぐらいはカラっと晴れるかなと期待しつつ、今日は池間大橋と来間大橋を渡るのと、ジロー楽園・うえのドイツ文化村に行くことにする。

まずは、国道390号〜県道83号〜県道230号を通って、池間大橋から池間島へ。池間大橋の上は台風のせいですごい強風。とりあえず橋を渡って池間島をぐるっとまわる。途中見かけた池間島灯台で記念写真。写真ではいまひとつ分かりにくいが、かなり風が強い。空も暗く台風の気分は満点である。橋のたもとまで戻ってきて、池間大橋をバックにまた写真を撮る。くろしお市場と銘うった魚介類の販売所、おみやげ、食事と、ひととおりの店があるが、平日で台風も来ているとあって閑散としてい、観光客は我々だけだ。

橋を渡り戻って今度は西平安名崎を目指す。岬にたつ4基の風力発電施設は平成6年度にできたもの。通産省プロジェクトらしい。近くから見ると、ゴオンゴオンと重々しい音を立てて回転している。高さ30メートル、羽根の直径は28メートルという規模。すでに一般家庭でもここで発電された電力が利用されているそうだ。

岬からもどって、今度は宮古島の東の海岸線沿い、県道83号線を南に下ってジロー楽園に向かう。熱帯果樹園の中に、七面鳥、ダチョウ、あらいぐま、クジャクなどの動物がいっぱいで、ポニーに乗ったり、ウサギを抱っこしたりして、小動物とのふれあいができるという振れこみだ。ちょっと雨が強くなってきたので入り口で悩んでいたが、先に入っていく車もあったし、他にインドアの施設も行くあてがないので、入ってしまう。入り口で、グァバとドラゴンフルーツがかごに入っていた。グァバの匂いがぷんぷんと香っている。実は大きめのミカンぐらいで、アボガドよりちょっと皮が薄いかといった手触りで、皮は薄い緑色。入り口のおじさんが1個ずつくれた。そのまま皮ごと食べてみろというので齧ってみると、ちょっと青臭いものの、フワっとやわらかい果肉で、当たり前だがまぎれもなくグァバジュースの味。ただ果肉の色は白く、ジュースで飲むときのピンク色とはイメージが違う。どうももっと熟すと果肉もピンク色になるらしい。

園内で子供たちに好評だったのは、がちょうとウサギ。とくにウサギは気に入ったのか、入ってすぐにウサギ小屋に行き、帰りにもまた立ち寄っていた。ポニーはどこだか分からなかったが、奥のほうには釣り堀もあった。出口で気が付いたのが、ダチョウの卵。園内で飼っているダチョウが産むのだろうが、1個3,000円で売られている。はてさて、これは買って帰ってもどう使ったものか見当もつかない。大きなパエリア鍋でもあったら、さぞやデカい目玉焼きができることだろう。

ジロー楽園を出て、83号線を南へ下る。なぜか島内でこの道だけは制限時速50キロである。国道の390号線でも40キロ制限なのになぜなんだろう。83号線の途中で「比嘉ロードパーク」という看板があったので、立ち寄ってみる。特に何があるわけではないが、北東側に開けた海岸で眺めはしごく上等。休憩用の東屋とトイレ、道をはさんだ所に売店もあって、ドライブの途中に休憩するにはいいところ。ただし海から吹き上げる風は強く、啓史は怖がって車から降りようとしない。風に吹き飛ばされそうになりながら写真を撮ったあとで、昼食処にきめたガーデンレストラン・シギラへ向かう。

天気がよければ、ガーデンレストランの名前通りに外で食べるのところだが、雨で濡れているので座敷にする。食べたのは、ハンバーグ定食に宮古そば。どうってことのないメニューだが、ハンバーグがおいしい。冷凍食品をレンジでチンしたのじゃなく、キッチンでミンチ肉をこねて焼いた、いわゆる家庭の台所で作った味。ソースもおいしく、丁寧に作られている感じがする。もずくも酸味が強くなく食べやすい。漬け物はパパイヤだろうか。「海宝」と同じく、普通の食事が普通においしい。格別凝ったものではないが安心して立ち寄れるレストランだ。

次は、うえのドイツ文化村。ドイツのマルクスブルグ城を模した博物館・博愛記念館、ドイツのおもちゃや絵本を展示したキンダーハウス、ドイツビールとソーセージのレストラン・ビアファス、近郊のシギラベイカントリークラブ、ホテルブリーズベイマリーナ、コンドミニアムなど一体となったリゾートエリア。お土産屋もトイレも、すべての設備が中世ドイツ風に作られていて、見て回るだけでも十分楽しめる。広い芝生に子供用の遊具も置いている。1873年、難破したドイツ商船をこの近辺(上野村)の人々が救助し、手厚く看護した。この博愛精神に感激したドイツ皇帝が、上野村に博愛記念碑を贈ったのがドイツとの交流の発端だそうだ。

今日はキンダーハウスに入る。ドイツのおもちゃ、絵本、グリム童話の資料が展示されている中に、ベルリンの壁の実物が展示されていて、この一角だけ気分が重たい。我々が訪れた時には、ホールの中央に博愛をテーマにした小学生たちの絵が展示されていた。おもちゃは自由にさわれて、こどもたちも二人して自由に遊んでいる。絵本を集めた部屋の中には、ドイツ語のミッキーマウスやドナルドダックの本もあり、啓史も聡太もならんでページをめくる。当然のことながら文字は読めないのだろうが、絵は万国共通のようだ。なぜか各地の写真集も置いてあり、新婚旅行で行ったギリシャの写真集もがあったので、HIROKOとふたりでページをめくってなつかしむ。

今日最後の観光ポイントは、ホテルの対岸にある来間島。宮古島との間を結ぶ来間大橋を渡るのだが、こちらも池間大橋と同じく風が強い。島をぐるっとひとまわりしたあと、来間島の中央あたりにある竜宮展望台に登る。竜宮城を模した三階建ての展望台なのだが、2階に上っただけで風に押しまくられそうになる。3階に上ると風は更に強く、体がゆさぶられてカメラもろくに構えられない状態。息をするのも一苦労だ。ふだんでも海から吹き上げる風が吹くのだろうが、台風の接近とあいまってとにかく強風。ちょうど対岸に前浜ビーチとその後ろの東急リゾートが見え、このホテルがいいロケーションに建っているのが良く分かる。

強風の展望台を降り、橋をもどっていったんホテルに戻る。今日の夕食の店を物色し、行き方を検討。平良市内はけっこう一方通行が多く、目的地を通り過ぎてしまうと戻るのがめんどうだ。第一候補を郷土料理「おふくろ亭」にし、ここに入れなかった時に備えて、第三候補まで考えておいて、出発。390号線を北上して、順調に市内までたどり着いたが、看板を見落として、「おふくろ亭」を通り過ぎてしまう。Uターンしようと思って入った駐車場は、この一帯の通りの店を利用する客向けの共用駐車場で、ラッキーだった。「おふくろ亭」からもさした距離が無いので、このまま車を置いて店まで歩く。北から歩いてくると店の看板は良く見えたが、ホテルの方からきたのじゃ見落とすのも無理はない。

店に入って、カウンターを通り過ぎ、奥の座敷に入る。テーブル三卓で、すでにひとつには先客の女性グループが食事中。オリオンビールと、「笑和亭」で食べ損ねた海ぶどうを注文。見た目はたしかに葡萄のようで、形は面白い。海ぶどう自体は軽い潮味で、ポン酢のようなタレにつけて食べる。正直言って、そんなにありがたいものではない。食事の注文は、HIROKOがイセエビのウニ焼き定食、私が焼き魚&刺身の定食。塩焼きしただけの魚が美味しい。イセエビもウニと合わさってゴージャス。ただ値段が格別安いわけでもなく、悪くはないが二回目も行こうとは思うほどの店ではない。

すでに真っ暗になった390号線をホテルにもどる。雨と風はいっそう強い。エントランスのところで子供二人と私が先に降りて、HIROKOには駐車場まで車を置きに行ってもらう。運転手はかわいそうなのだ。無事帰り着いたロビーには、台風情報の掲示板が立っていて、とおりがかる宿泊客が覗いていく。問題の台風12号は、まだ宮古島の南方でぐずぐずしていて、今日から明日29日未明にかけてこっちに来るらしい。明日も室内で遊べるところを探さないといけないか。

8/29(火)
朝の天気予報を見ると、宮古島・石垣島方面には暴風警報・大雨警報が発令。そのわりに雨も風もそんなに激しくないので、出かけるには支障なさそうだ。ただ、いつ大雨になるかもしれないので、外出は午前中だけにして、「平良市総合博物館」と「ドイツ文化村」に行くことにする。文化村は先日も行ったのだが、博愛記念館という博物館は廻っていなかったし、ビアファスというドイツ料理のレストランでの昼食もあてこんで、ココに行くことにした。なにせ、インドアの施設もそうはないし、他にまわる所もないのだ。午後はホテルに戻ってきて、おみやげのショッピングでもし、あとはホテル内のゲームセンターででも時間をつぶすことにする。

ロビーに下りると、台風情報の掲示板に飛行機の欠航情報が盛りだくさん。今日29日の便は、早朝の便を除いてすべて欠航。今日帰る人たちは大変だろうと同情するが、もしかすると明日はわが身かもしれない。台風の早期通過を念じつつ出発。国道390号線を平良市内方面に北上し、途中で宮古空港の方に折れて、平良市総合博物館へ到着。開館時刻を過ぎたばかりのせいか人気がないな、と思いながら入り口と示された方に行くと、シャッターが下りたまま。事務所とおぼしきところにも人影は全然ない。何も掲示は出ていないが、どうも暴風と大雨の警報のために臨時休館にしたらしい。そういえば公立の学校だと、警報が出たら休校になるよなぁとも思う。ちょうど子供二人が「おしっこ〜〜」と言うのだが、建物の外じゃトイレもないので、「わざわざ来たのに、閉めてやがって」という思いもあり、博物館の前庭で立ち小便させてちょっとだけ鬱憤を晴らす。

雨の中ではあるが東平安名崎に向かう。もともと、岬の先端までは車ではいけないと聞いていたので、行けることまで車で行って、そこから岬を見物するつもりだ。細長く海に突き出した岬の道は、風をさえぎるものとてなく、岬の道に入ると風でハンドルをとられそうになる。吹き上げられる潮と小雨が混ざり、風が重く湿っていて体にまとわりつく。岬の先端にある灯台をバックに、「東平安名崎」の看板の前で写真を撮るも、もう髪の毛がばさばさである。とりあえず「来たぞ」の証拠写真も撮ったので、ドイツ文化村に向かうべく、岬を引き上げる。

県道101号線を西に走っていると、雨や風もいったんおさまって日も射してきた。ちょうどイムギャーマリンガーデンのあたりだったので、膝ぐらいのとこまで海に入ったのもつかの間、また曇って雨が降り出してきた。ここは遊歩道も整備されているので、晴れていればかっこうの眺めと散歩ができるのだが、雨が降っては仕方がない。車に引き上げて、再び101号線を西へ走る。

うえのドイツ文化村の「博愛記念館」は、ドイツの城を模した博物館。エレベータで塔の先端・8階まで上ると、そこが展望塔になっている。ホテルブリーズベイマリーナを始めとして、近辺一体が良く見える。ブリーズベイは東急に比べると規模は小さいが、ホテル前の浜には岩場もあって、魚を見るにはこっちの方がいいかもしれない。展望塔は冷房もきいていなくて蒸し暑いので、ざっと周囲を眺めてからエレベータで下りる。展示スペースは3階から2階。1階はミュージアムショップだ。お城の中は、3階がドイツの庶民の生活の展示で、中世の暮らし振りを再現してある。2階も同じく中世だが、こっちは貴族の城での生活を再現してあり、天蓋つきのご婦人用ベッドのある部屋は、部屋全体を暖房する設備も整っている。

1階に下りて博愛記念館を出、レストラン・ビアフェスに行ったのだが、満席で30分待ちとのこと。仕方がないので、他のレストランを探すことにする。来間大橋の近くの「なんで喰わんか」というのが面白そうだったが、昨日の定休日に続いて今日も休み。やはり警報が出ている影響か。しかたないので、ホテルから平良市内へ向かう国道沿いの、「松が原ゴルフクラブ」のレストランに入ることにする。さすがにゴルフ場は休みだが、レストランは営業中。といっても、お店の人の知り合いが食べているばかりで、客らしい客は我々だけだ。HIROKOがゴーヤチャンプルー定食、私が宮古そば定食、啓史にカレーをとる。食事をしていたタクシーの運転手さんが、なぜかサービスで子供ら二人にジュースをくれる。ここの店主とは知り合いらしい。でてきた食事は、おかずも、ご飯も、カレーも大盛りで、なおかつ、お勘定はぜんぶで1500円とべらぼ〜に安い。やっと「沖縄の飯屋で飯を食った」気分になる。この運転手さん、しきりにパイナガマビーチに行けと勧める。波がさえぎられるような地形なので、この風の強い日でも地元の人たちは良く泳いでいるそうだ。お勧めはありがたいのだが、部屋が近い方が何かと便利で安心なので、満腹でいったんホテルに帰り、みやげものを買い揃え、たまっていた汚れ物を洗濯してしまう。地下一階のコインランドリーは、台風で行くところのない人たちが、この時とばかりに洗濯にくるので、洗濯機も乾燥機もいっぱいだ。

まだ天気はそんなに悪くないので、海に入れるのも今日かぎりと前浜ビーチへ向かう。ビーチへの入り口には、遊泳禁止の立て札が立っていが、風は意外と静かで、雨も降っていない。泳いでいる人もたくさんいる。初日の26日にはけっこう波があって怖がっていた子供たちも、今日は浮き輪でぷかぷかと嬉しそう。ビデオや写真もいっぱい撮る。けっきょく警報の出ているこの日が、いちばん海を楽しんだ日だった。海とプールを楽しんで部屋へ戻り、今夜の食事処を検討する。レンタカーも満タンで返さなければならないので、ガソリンスタンドにも寄らないといけない。目的地は、平良市内の琉球居酒屋「あぱら樹」に決定。駐車場が20台と広いし、地図で見るとガソリンスタンドも目の前にある。

かなり通いなれた390号線で平良市内へ。ガソリンスタンドまでは無事たどり着き、「あぱら樹」も目の前なのだが、駐車場への入り口が分からずうろうろする。けっきょく交差点を曲がったところの、店の裏側の細い路地から駐車場に入ることが分かった。店の中は、普通の居酒屋風だが、座敷は掘りごたつ形式になっていて、座るのもらくだ。オリオンビールに、いかすみのチャンプルーをとって、私がやぎ汁の定食、HIROKOがてびちの定食。子供たちにはフライドポテトをとる。定食は1500円ずつ。ポテトは350円。普通の居酒屋メニューも、宮古島の郷土料理もいろいろ揃っている。やぎ汁は去年、那覇の「さかえ」に行った時に食べそこねたので、念願の制覇となった。どんぶり鉢に入った山羊の汁に、しょうがのおろしたのとフーチバが薬味についてきて、好みで入れて食べるようになっている。HIROKOのてびちもよく煮込まれていてうまい。ただの居酒屋っぽい店だが、郷土料理もいろいろそろっていて楽しめる。テーブルも座敷もあって、使いやすい。5日間で行った食べ物屋のなかでは、ここと松が原ゴルフクラブの食堂が、ナンバー1,2だった。しごく満足してホテルに帰る。

8/30(水)
最終日。夜半はものすごい風と雨で、ホテルの分厚いガラス窓をとおしてもゴオゴオと音がしていたが、心配していた台風12号も無事通過し、ロビーの掲示板を見ても、朝一番の飛行機以外は予定どおりにフライトする様で、一安心。だが台風は去った後の方が風は強く、部屋から見ても前浜ビーチの波は非常に強い。こんな機会は早々ないので、朝食後は台風見物に海岸へ出る。強風に浜辺の砂が飛ばされてきて、足に当たって痛いぐらい。さすがに風は猛烈だ。警報の出ていた昨日の方がよっぽど静かで、かえって飛行機が飛ぶのかどうか心配になる。

部屋に戻ってパッキング。手荷物以外はバッグに詰めてしまって、宅配便で自宅に送ることにする。沖縄のしかも離島ということや台風だとかで、いつ着くか心配だったが、ちゃんと翌日には四條畷の自宅に着いた。宅配物流はたいしたものだ。荷物を送ってしまい、チェックアウトをすませると、もうやることもない。飛行機は宮古空港14:30、座席も関空出発時に確定していたので、13:15のホテルの送迎バスに乗れば十分まにあう。ひまつぶしにホテル内の熱帯果樹園を散策する。そういえば、こっちに来てからホテルの中はろくに見ていなかったが、歩いてみるといろいろと整備されている。果樹園にもバナナ、グァバ、シークァーサーなどが実っている。ホテルの係員が、昨夜の暴風で折れたり倒れた木々を整備していた。グァバなどちょうど食べごろに匂っているので、ちょっともぎ取って食べてみたい気分になる。

散策のあと、日本食レストランの「やえびし」で昼食。そーめんチャンプルーの出来がとても上品で、やっぱりホテルのレストランは違う。聡太には親子丼が好評。でも自分としては、食べて楽しいのは街中の飯屋で、がやがやしていて、ボリュームがあって、安くて、というほうが嬉しい。そうこうするうちに、空港行きのバスの発車時刻。我々のほかには乗客はなく、4人で貸しきり状態だ。国道390号線の左右に広がるサトウキビ畑も、これで見納めだ。15分ほどで空港に着く。出発までは1時間ぐらいあるので、空港の前で写真を撮ったり、空港内の売店でブルーシールのアイスクリームを食べたりする。

帰りは、いったん那覇を経由して関空に帰る旅程だ。那覇までの飛行機はANK176便、宮古島に来るときに乗ったのと同じA320の機体だ。こんどは10のABCと、三つ並んだ席なので啓史も安心。14:35離陸、まだ台風の影響は残っているらしく、ときどき揺れたりする。本来は30分程度で那覇着陸なのだが、空港が混んでいるそうで、那覇上空でしばらく待たされてから着陸。1時間ぐらいの飛行だった。さっそく乗り継ぎ便の席を押さえに、空港カウンターへ。今度も運良く三つ並んだ席になった。関空行きのANA496便は、B767−300の機体で那覇まで乗ってきた飛行機よりだいぶ大きい。左右両側に2席ずつ、中央に3席の並びで、取れた座席は19番CDE、真中の3列席だ。ちょっと遅れて17:10離陸、関空着は18:50。予定通りだ。すんなり出てきてJRの駅に行くと、ちょうど京橋行きの関空快速が出るところなので、これに飛び乗る。21:00に忍ヶ丘駅着。コンビニで夕食を買って帰宅。

宮古島に行ってきたというわりには、ほとんど日焼けもしなかったが、台風の中にしては海も楽しめたし、観光ポイントもひととおり廻れた。ホテルにはちょっと贅沢して、十分楽しめた旅行だった。沖縄はこれで三回目だが、また行ってみたいと思わせる。次に行くのなら石垣島とか西表島もいいかもしれない。

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