指南その4 <サワー・マッシュ>


オールド・クロウなんかのボトルを見ると、"genuine sour mash"なんていう表示 があります。この「サワー・マッシュ」という製造方法は、バーボン独特のもの。 今回は、この「サワー・マッシュ」のオハナシです。少々回りくどいですが、最初 にバーボンの作り方を簡単にご説明してから、「サワー・マッシュ」の説明に入り ます。

バーボンは、とうもろこし・ライ麦・大麦・小麦のモルトからつくられます。モル トというのは、これらの穀物を発芽させたもの。これをミキサーにかけて、煮沸し ます。このドロドロの状態になったものが「マッシュ」とよばれるものです。

各ディステラリー(バーボンを作ってるとこねっ)ではマッシュにイースト菌を加 え、大きな桶にうつして醗酵させます。この桶は直径・深さとも5mくらいのもの で、腐りにくい糸杉を材料にします。イースト菌をくわえられたマッシュは、ブツ ブツと泡を出しながら醗酵を続けます。

充分に醗酵を終えたマッシュは「ビア」とか「スティル・ビア」と呼ばれます。こ れを「ビア・スティル」または「コラム・スティル」という連続式の蒸留機で蒸留 して、内側を焦がしたホワイトオークの樽にいれて、寝かせればバーボンのできあ がり。

ながながと前置をしましたが、「サワー・マッシュ」という製法では前回の蒸留時 の残液(ビアを蒸留したあとの残り物ですな。スティン・スティラージまたはバッ ク・セットと呼びます)を醗酵容器の三分の一くらい加えます。連邦アルコール法 の規定では、25%以上となっています。

スティン・スティラージを加えることによって、味の均一化を図り風味ある和らい だ味に仕上げることができます。

では、前回の残り物を加える理由です。 スティン・スティラージは、PH値がPH3.8〜4.1であり、これを加えるこ とで醗酵させるマッシュのPH値をPH4.8〜5.2にコントロールします。P H値があがるとバクテリアの繁殖で、醗酵液がすっぱくなるため、できあがりのバ ーボンが不味くなります。

この「サワー・マッシュ」製法で作られたバーボンの代表選手が「オールド・クロ ウ」。発明者はジェームズ・クロウ氏というのが一般的ですが、J.W.ダント氏 という説もあります。

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