ところはケンタッキー州ルイビル、ポール・ジョーンズという青年がおったそうな。この男バーボン作りで大きく成功し、青年実業家としてもてはやされておったそうな。街の娘たちは皆この青年に熱い視線を送ったが、ポールは軌道に乗り始めた事業に忙しく一向に興味を示さなかったそうじゃ(ああ、もったいない、もったいない・・とMAXは思ったな)。
まぁ、こんな男にも悪友がおってな、ポールのおこぼれに預かろうと思ったのか、ある日のポールを強引に園遊会に連れ出したのじゃ。
ところが、人の出会い、人の縁というのはわからんもんじゃのお。いやいや行ったはずの園遊会、ここでポールはひとりの娘に一目惚れをしてしまうんじゃ。ほっそりとした体を包む真紅のドレス、白い肩に波うつブルネットの豊かな髪(うむうむ、わしの好みじゃ)、深い知性をたたえたとび色の瞳(当然10,000ボルトじゃな)・・・あ、これこれ、そこの方そんなにバカにした顔をするもんではない、年寄りの話は聞くもんじゃ。
ま、ともあれ自分の作ったバーボンをグイッとあおって勢いをつけたポールは、こ う言ったな、
「僕と結婚して下さい」と。
やはり、こういう告白はシンプルに限るな。なんといってもインパクトが大事じゃ 。こういうチャンスを一度逃すとな、一生後悔するぞ、ん、わかったな皆の衆。お っと話がそれたようじゃな。一瞬の沈黙が二人の間に流れたな。しばらくして顔を あげた彼女はこう言った。
「もし私がお申し出をお受けするなら、次の舞踊会に薔薇のコサージュをつけて参 ります。その時まで、お返事をお待ち下さいませ。」
どうじゃ、近頃の娘っこにはこんな科白は言えんじゃろお。
そして、次の舞踊会の日が来たな。ポールはずっと彼女の姿だけを求めてホールに 立っておった。時が過ぎる。招待客は殆ど集っており、そろそろ舞踊会が始る。彼 女はまだ来ない。ため息をひとつついて、ポールはホールへ(こりゃこりゃ、こり はシャレではないぞ、笑ってはいかん)向かった。その時、玄関に一台の馬車がす べりこんだ。そこから降り立ったのは、ブルネットの髪を結い上げ、ウエディング ・ドレスのような淡いアイボリー色のドレスに身を包んだ彼女だったな。
そして彼女の胸には、真っ赤な薔薇の花が4本、芳香を放っておったのじゃ。
ポール・ジョーンズは、まもなく美しい花嫁を迎えた。そして彼は、心血を注いで 作り上げたバーボンに、二人の思い出を込めて四つの薔薇「フォア・ローゼズ」の 名を冠したということじゃ。めでたし、めでたし・・・。
というのが、故アーヴィン・S・コッブによる「フォア・ローゼズ」の伝説ですが、 いかがでしたか。勿論こういう話には異説があります。
ルーファス・M・ローズというアトランタきってのディスティラーが催した舞踊会 に四人の美しい娘たちがやってきた。彼女たちはよく似たドレスを身にまとってお り、さらに驚いたことに四人とも赤い薔薇のコサージュを付けていた。ローズ家の 者がここからヒントを得て、作ったばかりのバーボンに四つの薔薇の名を冠した
というものです。
ま、最初の説ほどロマンチックじゃないので、私としては最初のプロポーズの応え に薔薇のコサージュをつけてきたって方をとりたいですね。
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