指南その6 <神様の取り分>


今回はバーボンの熟成の話です。ホワイトオークの樽のなかで静かに眠るバーボン。 四季のリズムに揺られながら、ゆっくりと色を味を香りを深めていきます。

バーボンは「オープン・リック方式」とよばれるウエア・ハウス(貯蔵庫)のなか で熟成させます。この貯蔵庫は四季の変化にバーボンの熟成を委ねようというもの で、外気がよく入るように窓が大きくとられています。夏は大きく窓を開け放ち、 冬は窓を閉めて温度の下がりすぎを防ぎつつ、ゆっくりとゆっくりと熟成させます。 ウエア・ハウスの上と下とでは気温が異なるので、熟成期間中は上段と下段の樽を 定期的に入れ替え、テイストのチェックをします。

"FATHER TIME AND MOTHER NATURE"、「時を父とし、自然を母として」、バーボンは 確実に育っていきます。しかし、熟成のメカニズムはまだ解明されていません。良 質の穀物・水・秘伝のイーストをとり揃え、注意深くひとつひとつの工程を進めて も、最後は「神様」に熟成を委ねます。

「神様」は、あのバーボンの芳香と風味を与えて下さる替わりに「神様の取り分」 をお持ちになります。実際には、樽を通しての揮発のために、樽の中身が減少する のが原因です。このため樽の中身は年に3パーセント程度減少し、アルコール濃度 が上昇します。ケンタッキーの男たちはこれを「神様の取り分」または「天使の分 け前」とよんで、豊かなバーボンを与えてくれた自然に敬意を表します。

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