インドネシア・シンガポール出張記 −2004/3/27−

2004/3/27(土)
今日はシンガポールへの移動日。9:40発の飛行機なので、空港にもけっこう早く行かないといけない。6:30には朝食を摂り、7:00にはチェックアウトする。グランマハカムは、1泊US$65なので、24〜26日の3泊でUS$200ぐらいの請求書になっているかと思ったら、1,716,000とかいうデカい数字が並んでいる。何じゃと思ったら、ルピア表示になっているようだ。ずいぶん手間取りながら頭の中で換算し、だいたい2万円強ということが分かる。合ってるか・・・・。

7時過ぎに、H氏が迎えに来てくれて、スカルノ・ハッタ空港まで送ってくれる。朝早いこともあって道路も空いてい、40分ほどで到着。H氏に見送られて空港内へ。余裕を持って出国手続きやチェックインが出来た。空港では出国の際に、空港使用料として10万ルピア(1,400円ぐらい)を払う。カウンターのおね〜さんも心得たもので、こっちが日本人だとちゃんと日本語で対応してくれる。この領収書をちゃんと持っておかないと、帰ってきてから旅費清算のときに10万ルピアを回収できないことになるので、大事に保存しておく。出国のイミグレーションのところは、入国時に比べるとずっと簡単で、パスポートと出国カードを渡すと、あっさり通してくれた。出国のカードはパスポートに挟んだまま、返ってきたけど、これってどうしたらよいのかな、と思っていたら、H女史も「出国カード、返してくれたんだけど、どうしたらいいんですかね?」と言っている。出国カードを隠して、袖の下を要求する審査官がいたりする、とかアブナイ話も聞かせれていたのだが、そんな心配も嘘のようだ。

出発まで少々時間があるのだが、朝も8:00過ぎとあっては、空港の免税店もほとんど開いてなく、仕方なくスターバックスでコーヒーでも飲んでみる。実は日本でもスターバックスって入ったことがなく、ここでコーヒー飲むのは初体験。自分はモカ、H女史はウィンナーを頼んだはずだったんだが、出てきたのはカフェ・オ・レが二つf^^;)。まぁ、時間つぶしに寄っただけなので、ど〜してもモカが飲みたいというわけでもないから、イイんだけどさ。Rp23,100なので、290円ぐらい、さほど安くもない。

さて、免税店のシャッターも開きだしてきたので、ちょっと覗いてみる。インドネシアのルピアは、日本に持って帰っても円に換金できないので、出来るだけ使いきってしまわないと。とはいっても、民芸品か化粧品とかしか売っていないので、これといって買う当てもない。なんとなく、ジャワ島の地図Rp40,000と、インドネシア料理の本Rp60,000を買ってみる。そうこうしているうちに、ぼちぼちと出発の時刻も近づいてきたので、ゲートの方に行っておくかと思い始めたころ。空港の案内放送で呼び出される。しかもH女史などはMr.付けだったりで、ずいぶんご立腹。あわてて二人して走ってゲートに行く。

どたばたと搭乗手続きをして着席。これもシンガポール航空で、SQ153便。機体はボーイングの777−300。ジャカルタを9:40発で、シンガポールのチャンギ空港着は12:15。インドネシアとシンガポールは1時間の時差があるので、実際の飛行時間は1時間半ぐらいだ。短いフライトだが、ここでも離陸後30分ぐらいで、ちゃんと昼食が出る。

飛行は順調で、予定の時刻よりちょっと早く12:04にはタッチダウン。シンガポールの気温は31度と、インドネシアと変わらず、やっぱり暑い。往路もここで乗り換えたが、スカルノハッタ空港に比べると、チャンギ空港は広いし、きれいだ。伊丹や羽田に比べてもずいぶん立派なつくり。入国手続きをするカウンターの電光掲示板には、日本語も表示されてて、分かりやすい。ただ漢字はしっかり書かれているが、かな文字はずいぶん怪しい。ひらがな、カタカナを知らない人が、みようみまねで書いたような文字だ。漢字のほうは人口の7割がチャイニーズのせいか、ちゃんとしている。

さて、ここではインドネシアと違ってお出迎えがないので、自分たちでタクシーを拾って、ホテルまでたどり着かなければならない。まぁシンガポールは日本と同等以上に安心と聞かされているし、H女史はここは二回目なので、それなりに安心。とりあえず空港のDFSで、H女史の買い物・aramisの香水を片付ける。銘柄指定で頼まれていたみやげ物だそうで、彼女としてはこれで仕事がひとつ済んで一安心だ。

ロビーに出てゆくと、意外にも現地出向中のU氏がお出迎え。今日も出勤しておられて、われわれの到着時刻を知っていたので迎えに来てくれたとのこと。「出てきた、と思って待っていたら、免税店に入っちゃうんだもんなぁ」と言われたが、なれない土地でこうやって出迎えてくれるのは実にありがたい。空港のエクスチェンジで、シンガポールドルに両替、¥10,000でS$157.8だったから、S$1が63円ぐらいのレートだ。街中で交渉しながら両替すると、ちょっとはレートも良いらしいのだが、差もわずかなものらしいし、交渉するほどの英語力もないので、ここで済ませる。

U氏が事務所を閉めなきゃいけないということで、いったん会社に寄って、その後はシンガポールをいろいろと案内してもらった。シンガポールの街並みは緑が一杯で、花も咲き乱れ、道路が整備されていて、ドライブするにはとても良い気分。U氏曰く、シンガポールのすばらしいところは「駐車場の整備が十分されているところです」。どこに行ってもホテルやデパートの地下や屋上に、きっちり駐車場が準備されていて、車を停めるところを探すのに苦労しないそうだ。車は右ハンドルで左側を走るので、日本と同じ感覚かそれ以上快適に運転できそう。たしかに車の通行には便利にできていて、左折可の交差点もけっこうある。こういう交差点では、交差した十字路と別に、左折専用の左にカーブした側道がつくられている。かといって人が車に遠慮しているかというわけでもなく、歩道がきっちり作られているので歩きやすい。歩く上での難点は、気温の高さにつきる。

また、市街地に入るところには、「ERP」という看板のついたゲートがある。U氏によると、これは市内を通る車から課金をするシステムだそうな。日本だと高速道路にETCがついているが、あれが一般道にもついている、ということ。当然のことながら、すべての車にはERPの支払いをするための車載端末が付いている。車を購入するときには、コレの装着が義務付けられているとのこと。市の中心部を通過するだけでも課金されるので、市内を横切る車の交通量の削減にもつながる。ERP用のICカードは、市内の駐車場の支払いにも使えるので、カーライフにはこのカードが欠かせない。

宿泊先のパラマウント・ホテルに荷物を置いてから、最初に行ったのはシンガポールの定番観光スポット・マーライオン(Merlion)。マーライオンは、ちょっと前まで橋の陰になっていたが、最近場所を移設して、ちゃんと海に面した場所に持ってきたそうな。われわれが行ったときには、口から水を噴いてはいなかったが、海に向かってきちんと立っていた。夜にはライトアップされるそうなので、夕暮れ時以降に海沿いのテラスでビールでも飲みながら見たら、さぞかし良い気分だろう。

その後はお買い物処で、DFS GALLERIA。オーチャードロードと交差する、スコッツウォークという通りに面している。あとでHPを見ていると、世界あちこちの観光地にあるらしい。その名の通り、ビル全体が免税店。4階建てで、まず1階でお買い物カードを作る。このカードは何度でも使えるし、ポイントがたまると抽選で景品が当たったりするらしい。日本人には、日本語で書かれたお買い物ガイドも渡してくれる。エスカレータで4階まで一気に上がり、あとは順番に各フロアを買い物しながら降りてくる、という寸法。買い物好きな人にはたまらない店だろう。日本人の団体観光客もたくさん来ていて、また春休みということもあって子供づれの家族客も多い。4階でエスカレータを降りたところはお酒の売り場。ブランデーやワインがたくさん並んでいる。「3本買ったら1本おまけ」などという、日本語の貼り紙があったりする。4階と3階は高級ブランドの店が並んでいて、2階はスカーフ、ベルト、アクセサリー、香水などの小物類、1階はチョコだの、クッキーだの、ぬいぐるみ、携帯のストラップだのの、ご近所土産コーナー。ここでも、お菓子を三つ買ったらおまけにもう一個ついてくるのが目に付く。チョコレート10箱がビニールバッグに入ったのとかもあり、そのまま持って帰るのにも便利にできてる。職場やご近所向けのみやげを一気に買い揃えてしまった。S$100ぐらいお菓子に使ってしまう。

買い物を片付けたところで、次はフットマッサージ。DFSの向かいのビルの2階に、U氏行きつけの店があるそうな。全身のフルコースだと1時間ぐらいだが、初体験なので、足だけ30分のコースにしておく。はだしになってソファに座ると、担当のおにいちゃんが、足にクリームを塗ってからマッサージを始める。足の裏には全身のツボがあるというが、どこが体のどの部分とつながっているのか、という図解のチラシを見ながらマッサージを受けていると、悪いところを揉まれたときには、心底痛い(T_T)。自分の場合は肩と首で、いつも凝っているところ。自覚症状がある。それ以外のところは、少々強くもまれても気持ちよいぐらいで、なんともない。U氏は慣れたもんだが、H女史は泣きそうな悲鳴を上げている。よほど痛そうだ。先週あたりがカゼで体調崩していて、もともと胃腸が弱いらしく、そのあたりのツボを揉まれるとたまらないらしい。これでS$20だから1,500円ぐらい。こういう値段を聞くと、物価はそんなに安くはないんだな、と感じる。

フットマッサージの後は、オーチャード・ロードを散策。シンガポール一番の目抜き通りとあって、広い道路の両側には十分なスペースを持った舗道がきれいに整備されている。ショッピングセンターもたくさんあるし、街路樹というにはあまりに背の高い木々も濃い緑の葉を茂らせている。てっぺんまでの高さは優にビルの三階以上はあり、東京タワーを見上げるおのぼりさんの気分で、樹上を見上げてしまう。U氏曰く、熱帯の気候なのでほっといても木はどんどん成長するが、日本の木のように年輪がしっかりと入っていないので、強い風が吹くと簡単に折れてしまうらしい。台風なんかが来たらずいぶん物騒な話だ。

ざっとオーチャード・ロードを二駅気分ぐらい歩いたところで、U氏が地下鉄・MRT(Mass Rapid Transit)に案内してくれた。これまで歩いてきたオーチャード・ロードを、南北線で一駅分だけ地下鉄で戻ろうという次第。駅まで行く途中でちょいとびっくりしたのが、エスカレータがずいぶん高速で動くこと。年寄りが乗ったら転びそうな気がする。路線はネーミングが明快で、東西線、南北線、東北線の三つ。自動販売機で買ってくれた切符は、なんとICカード。日本でもJRがやている、ICOCAとかSUICAの類だ。デザインはずっとシンプルで、若草色の地に黒文字で注意事項が書いてあるだけだが、こいつの優れているところは、バスにも使えるってこと。車に乗らない人にとっては、MRTとバスをこれで乗り継いであちこちに移動できる。センサーの感度はかなり高いらしく、ハンドバッグの底を改札機のセンサーにピッと当てて通っていく女性も見かけた。きっとバッグの底のほうにカードをほりこんでいるのだろう。U氏の奥様もMRT&バスの愛用者とのことで、バスの路線にも通暁しているらしい。カードは記念にもらって帰った。まぁ、シンガポールならまた行くかもしれないしね。

DFSで買ったみやげ物もあるし、いったんホテルに戻る。夕方に再度、U氏が迎えに来てくれて、夕食に案内してくれるとのこと。シンガポールならタクシーで移動しても安全だし、ホテルの近所で食べられるところもあるので、と言ったのだが、お薦めのレストランがあるとおっしゃるので、案内をお願いする。

行った先は、チャイナタウンのキッチナー・ロードにある「HILLMAN RESTAURANT(ヒルマンレストラン)」。シンガポールの人口はチャイニーズが7割と最も多く、あとはインド人、マレーシア人、といった人種が混じった国家になっている。インドと中国については、それぞれ市内の一角が、チャイナタウン、インディアンタウンとなっていて、中国やインドの空気を味わうことが出来る。

シンガポールは、ごみのポイ捨て禁止とか、道路につばを吐いても警官が飛んできて罰金とか聞かされるが、ヒルマン・レストランまでの歩道を歩いていると、そ〜でもないことが分かる。けっこうごみが落ちていたりするし、そういうのが厳しく取り締まられているのは、オーチャードのような観光客いっぱいの目抜き通りだけなのかもしれない。

ヒルマンレストランに到着して二階席にすわる。中は家族経営という感じで、制服とかじゃなくて普段着のおばあちゃん、お姉ちゃんに、子供たちがウェイター、ウェイトレスとしてうろうろしている。男の子はアイスクリームを手にしていて、一階の厨房からエレベータで料理があがってくると、アイスを横に置いてテーブルに配っている。それが終わると、またアイスに戻る。おばあちゃんはここを仕切っているようで、レジ担当らしい。レジの横には液晶モニターのパソコンが置かれていて、おばあちゃんがなにやらマウスを動かしている。売り上げ管理でもやっているのだろうか?。

ここのお薦め料理は、ペーパーチキン。鶏のから揚げなんだが、味付けした鶏肉を紙に包んで揚げてある。奉書焼の唐揚げバージョン?といったところか。紙を破いてから食べるので、手が油でベトベトになるのが難点だが、なかなかおいしい。タイガービールを飲みながら食べると、相性ぴったりだ。ビールはサーバーがおいてあったので、ジョッキで出てくるかと思ったら、缶ビールとガラスコップで出てきたのは、ちょいと不満だったけどな。この日の夕食メニューは、

ペーパーチキンと並んで、この店の名物がフカヒレとスクランブルエッグのレタス包み。スクランブルエッグといってもフワフワではなく、フカヒレと混ぜた卵をにしっかり火を通してあって、炒り卵といったほうが合っている。これをレタスに適量包んで食べる。雪菜というのはこりこりした食感が楽しい野菜。豆腐のあんかけは、豆腐というより麩のような印象。最後は焼き飯で締め。今日も満腹だ。

ホテルへ帰る道すがら、ラッフルズホテルの周りを通る。シンガポールスリング発祥の地「ロング・バー」があるホテルだ。U氏が「せっかくなので、シンガポールスリングを飲んで行きましょう」と言ってくれるので、ここにも立ち寄る。ホテル内は、ある程度のところは見物できるのだが、客室があるところへは宿泊客以外立ち入り禁止の札が立っている。

ロング・バーはホテルの二階にあり、こじんまりしたカウンターバーをイメージしていたが、ずいぶん広い。店の中央にはバンドが陣取っていて、オールディーズや最近のヒット曲などを、途切れることなく演奏している。ノってきたお客さんの中には、バンドの前のスペースで踊りだす人もいたりして、実に楽しい店だ。バーっていうより、ライブハウスって感じ。天井には葉っぱを編んで作ったうちわが、ずらりと並んでいる。これが一本のバーに10個ぐらいつけられていて、バーが左右に動くと、パタパタとはいかないものの、ゆらゆらと動く。まぁ、送風用というよりは飾りなんだろうね。

つまみはピーナッツで、各テーブルにある小型のざるに入ったピーナッツを食べ、殻は床にばらまく。歩くとピーナツの殻を踏み潰して、靴底でバリバリと音を立てる。ここの定番はシンガポールスリング。シンガポールスリング自体は、甘みがきつくて、そんなにありがたいカクテルではないが、本場で本物のシンガポールスリングを飲んだというのが自慢話かな。それでも一応、シンガポールスリングのイラストの入ったコースターを持って帰ってきた。

そんなこんなで、夜も23:00過ぎまで付き合っていただき、たくさん奢ってもらった気がする。社の規定では、一食分は会社負担のウェルカムディナーにできるんだそうだが、お金以上に時間をずいぶん遣わせてしまった。その分、初めてのシンガポールを楽しませてもらって、実にありがたかった。

(2004/5/11更新)

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